聖日礼拝メモ 4月19日
聖書 マタイの福音書1章1−17節
あるクリスマスについての本を読んでいて、次のような言葉に心が留まりました。「クリスマスの夜に、飼葉桶の中におむつにくるまって、誰に認められることもなく、産声をあげているイエス。神の恵みの支配がそこから始まっているのであります。…ひとりの人の魂をも無理やりに滅びのなかに突き落とすことなく、イザヤの中の言葉で言えば(イザヤ25:8)、まさにすべての顔から涙を拭わんとする神の戦いがここに始まったのであります。」ここに二度、「始まった」と書いてあります。主イエス様の誕生についての解説です。
そして、主は十字架にかかり、全ての人の身代わりに死んで、三日目によみがえられ、天に帰られました。よみがえられたイエス様を心にしながら、聖書を読んでいきたいと思います。
さて、今朝は、マタイの福音書の冒頭の部分です。ここは、「アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」です。
この系図には、建国の英雄と言われる人モーセは、入っていません。でも、その理由はすぐに分かります。モーセはレビ人ですから、この系図には入らないのです。
また、この系図には、旧約聖書にも現れない人の名前が入っています。それは、旧約聖書が書かれた最後のときは、紀元前五世紀ですから、その後のことは聖書にないのです。そのため、その時期の人の名前は、伝承されたものなのです。そのため、その人の人生や信仰については、何も分かりません。
例えば、14節にある「ツァドク」については、ここに書かれているだけしか分からないのです。辞書で調べても、この14節と17節のことしか書かれていません。
歴代誌には、9章にわたって、たくさんの名前が書かれています。中には、他の箇所から、どんな人かが分かりますが、多くは、分からないのです。十二使徒の中にも、名前だけで、あとは何も分からない人があります。
このことに、どんな意味があるでしょうか。神様は、この名前だけの人の、一人ひとりを知っておられます。彼らの生涯とその信仰生活を知っておられます。覚えられている人なのです。私たちについても、神様は、すべてご存じなのです。感謝ではありませんか。
さて、ダビデ王からバビロン捕囚までの名前は、王様のものです。この中に、過越の祭りを行った人は、わずか三人しかいません。ダビデ王、ヒゼキヤ王、ヨシヤ王です。偶像礼拝を阻止しようとした王様は何人かいます。反対に、ヤハウェ信仰からバアル信仰へと移った王様もいます。神様は、そのどちらの人々もよく知っておられ、その行いに応じて報いられます。
今ひとつ、この系図にマリアを除いて四人の女性の名前が含まれています。3節のタマル、5節のラハブ、そして、ルツ、6節の「ウリヤの妻」です。タマルは、義理の父によって子を産んだ人、ラハブは「遊女」と言われる人(ヘブル11:31)、ウリヤの妻とは「バテ・シェバ」のことです(Ⅱサムエル11:3)。ルツは、「モアブの女」と言われている人で、モアブ人は、呪われた人たちと考えられていたのですが、その信仰のゆえに、ユダヤの社会に入れられた人です。それぞれ、課題があります。でも、これらの人が系図に入れられたのは、救い主がユダヤ人に限らず、「ご自分の民をその罪から救う」方であることを示すためです。
さて、イエスさまはマリアからお生まれになりました。そして、30年ほどの生涯を送られ、十字架、復活の後に、天にお帰りになられました。この系図は、「アブラハムの子、ダビデの子」のイエス様の系図です。ダビデは、イエス様の時代よりおよそ千年昔の人です。神様は、ダビデに救い主の祖先になると約束されました。それをイエス様はよく知っていました。ですから、復活されたイエス様は、あのダビデの約束から千年経ったのだと、分かっておられました。
アブラハムは、さらに千年遡る人です。イエス様は、このようにおっしゃっておられます。「あなたがたの父アブラハムは、わたしの日を見るようになることを、大いに喜んでいました。そして、それを見て、喜んだのです」(ヨハネ9:56)。アブラハムの子孫が世界に祝福をもたらすと、イエス様は聞いていたのです。そして、二千年たって、実現したのです。感慨深いものがあります。
同じように、遡ってアダムとエバまで行ったら、どうなるでしょう。「女の子孫」が悪魔の頭を打ち砕くとの、約束は、イエス様の十字架と復活によって、成し遂げられましたから、よみがえられたイエス様にとって、どのように思われたことでしょう。ようやく終わった、という気持ちでしょうか。十字架の上で、「完了した」と叫ばれたイエス様は、このようなことも考えておられたのでしょう。そして、恵みの支配を開始するのです。私たちはその恵みの支配にあずかった人たちです。なんと幸いなことでしょうか。
イエス様は、「あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」と言われました(ルカ10:20)。天の系図に入れられているのです。神の家族になっているのです。と言うことは、すごいことではありませんか。感謝、感謝です。