礼拝メモ 6月11日

聖書 使徒の働き13章1節−12節

 ペンテコステを越えて、聖霊は豊かに活動し始めました。教会を産みだし、弟子たちを育て、異邦人伝道へと向かわせようとしました。しかし、エルサレムの教会はすぐにその使命を果たせませんでした。そのため、迫害によって教会を外に押し出しました。それが、アンティオキア教会の誕生につながります。

 そのアンティオキア教会に宣教師を送り出す新しい働きが始まっていきます。

 この教会には数人のすぐれた指導者がいました。五名の名前が上げられています。クレネ人ルキオは、この教会が始まった頃からの人でしょう。

 彼らが礼拝をしました。断食までしました。強く何かに飢え渇いていたのでしょう。この礼拝では聖書が読まれ、解説がなされました。ただし、まだ新約聖書はできていません。イエス様の語録がいくつかあったかも知れません。その中で、「全世界に出て行って、福音を宣べ伝えよ」との、昇天前のイエス様の言葉の重みを彼らは感じていたのでしょう。そのような教会に、聖霊が語り出します。「さあ、私のためにバルナバとサウロを聖別して、わたしが召した働きに就かせなさい。」

 この声を——あるいは言葉を、どのようにして聞いたのか、聖書は語りません。とにかく、この言葉が届いたとき、彼らはまた断食をして祈り、二人の上に手を置いて送り出したのです。手を置いたのは、彼らに働きを任せる意味と、自分たちも同じ思いで参加するという意味があるでしょう。アンティオキア教会は燃えていたのです。聖霊が一人ひとりの心に熱いものを注いでおられました。まさにリバイバル的でした。

 送り出された二人ですが、聖書は「聖霊に送り出され」と言い換えています。聖霊が二人を押し出されたのです。アンティオキアから海岸のセレウキアに下り、まずバルナバの生まれ故郷であるキプロス島に渡ります。島の東にあるサラミスに上陸し、西にあるパポスまで、伝道していきました。そこで起こったバルイエスという魔術師のことが記されています。このところから、サウロはパウロと呼ばれています。ユダヤ名よりローマ名のほうが親しみやすいからでしょう。

 パポスから北に渡って、パンフィリアのベルゲ、そしてピシディアのアンティオキアへと伝道していきます。ユダヤ人の会堂が中心です。

 パウロの説教は、預言された救い主がやって来たこと、その罪のない方が十字架で死なれたこと、三日目に神がよみがえらせたこと、この方によって罪が赦されることの四点が中心でした。律法を守ることの難しさを知っていた人たちは、信じることで赦されるという福音に心を開きました。

 説教の始まりは、会堂司の言葉にありました。「何か奨励のことばがあれば、お話しください」と言われて、このチャンスを逃さなかったパウロでした。このように証しのチャンスを待つことも、伝道の一つの方法です。

 伝道旅行の中では、アンティオキア教会の礼拝には出られません。私たちが礼拝に出られないとき、その場で主の証しをするなら、主は喜んでくださいます。彼らは押し出されて伝道旅行に行きました。押し出されての礼拝欠席であるなら、主の証しのチャンスを祈れます。聖霊が、私たちを押し出してくださいますように。

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