礼拝メモ 2月27日

聖書 ヨハネの福音書21章15節-19節

 今日は、シモン・ペテロのことをお話しします。先週のペテロの手紙の内容からすると、ペテロは、ずいぶんしっかりした人物に見えます。彼が以前はどのような人物だったのか、そして、どう成長したのかを知りたいと思うのです。

 ペテロとイエス様との初対面の出来事は、弟のアンデレがイエス様にお会いしてから、兄のシモンを誘ってイエス様のところに連れて来た時のことです。その時、イエス様は初対面なのに、シモンにペテロという名前を付けたのでした。でも、その後、ペテロはすぐにイエス様の弟子としてついていったのではありませんでした。

 次の出会いは、ルカの福音書5章にある出来事でした。ペテロはガリラヤ湖の漁師です。彼がその夜、一晩中漁をしたのですが、一匹も取れませんでした。そして、網を洗っているところに、イエス様がやって来て、舟に乗り、舟の中から岸の民衆にお話をしたのです。ペテロは一等席で聞いたのです。

 話し終わったイエス様が、ペテロに「深みに漕ぎ出し、網を下ろして魚を捕りなさい」と言われます。大工であるイエス様のことばでしたので、ペテロは気が進みませんが、長いお話しをした先生のことばですから、尊重しなければなりません。「おことばですので、網を下ろしてみましょう」と言って、網を打つと、網が破れそうな大漁でした。仲間のヤコブとヨハネに応援を頼んで、魚を引き上げると、二艘の舟が魚でいっぱいになりました。ペテロは、恐ろしくなり、「主よ、私から離れてください。私は罪深い人間ですから」と言います。転機がやってきました。

 イエス様は、「恐れることはない。今から後、あなたは人間を捕るようになるのです」と言われたのです。それは、ペテロに新しい人生の目的を与えることばでした。この日から、ペテロはイエス様の弟子として、イエス様に従ってゆきました。

 その後、ペテロはイエス様の弟子たちの中から使徒と呼ばれる十二人の一人に選ばれます。彼らは、他の弟子たちとは違った扱いを受けました。その中でも、ペテロは特別の存在へと変わっていきます。ヤイロの娘さんの蘇生の時や、姿がわりの山の出来事の時、そしてゲッセマネの園で、ペテロは特別にイエス様と一緒でした。

 北方の地方に退いたイエス様が弟子たちに質問をした時、ペテロは「あなたは生ける神の子、キリストです」と答えて、イエス様を喜ばせました。しかし、その直後、イエス様が十字架と復活について語ると、ペテロは「そんなことがあなたに起こるはずがありません」と言ってイエス様をたしなめます。そして、「下がれ、サタン。」と厳しく叱られます。さらに、受難週に入り、十字架が近くなった時、イエス様は「シモン、シモン。見なさい。サタンがあなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられました。しかし、わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました」と励ましています。

 ところが、数時間後、ペテロはイエスを知らないと三度も口にしてしまいます。その時、イエス様と目があって、「鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしを知らないと言います」というイエス様の言葉を思い出して、ペテロは泣きます。

 よみがえられたイエス様は、ガリラヤ湖に漁に行った弟子たちに現れます。そして、イエス様はペテロに、「あなたはわたしを愛しますか」と尋ねました。ペテロは三度知らないと言ったしまった自分を恥じながら、「愛しているのを、あなたはご存知です」と答えたのでした。ペテロは愛されています。そして、ペテロは小さな自分の愛でイエス様を愛したのです。それをイエス様は受け入れ、使命を与えたのです。

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