礼拝メモ 8月22日

聖書 マタイの福音書13章31節-33節

 主イエスが語られたたとえ話は、数え方にもよりますが、40あります。これは共観福音書と言われるマタイの福音書、マルコの福音書、ルカの福音書に含まれています。その三つの福音書に同じたとえ話がいくつか載っています。その中から、今朝はからし種のたとえ話を取り上げます。そして、対になっているパン種のたとえ話も取り上げてみます。

 このマタイの福音書では、神という言葉を使う代わりに、天という言葉がよく使われています。その代表的なものが「天の御国」です。この言葉はいわゆる天国を指しているのではありません。神の国、つまり、神が治める支配を表しているのです。まず、そのことを覚えておいてください。

 さて、からし種のたとえ話は、わずか2節の短いたとえ話です。この野菜の種は、小さいのに、育つと大きくなります。それが、イエス様のたとえ話に使われています。空の鳥が来ると、たとえられています。最初は小さかったのですが、育つと周りの人々にまで恩恵が及ぶことを表しています。イエス様から始まった神の国は、弟子たちに伝わり、ユダヤ人の中に育ち、ギリシア人やローマ人にまで広がっていったことが分かります。日本人である私たちにも、神の国は伝えられ、信じた人たちの心に神の恵みの支配が及んでいるのです。

 パン種のたとえ話は、からし種のたとえ話と並んでいます。屋外の働きになるからし種、屋内の働きになるパン種の作業、片方は男性、いま一方は女性のたとえとなっています。イエス様の知恵の働きを見ることができます。

 パン種のたとえ話は1節だけです。パン種は小麦粉に混ぜられて初めてその活動が意味を持ちます。小麦粉にパン種を入れても、区別はつきにくいのです。しかし、パン種が混ぜられると、やがて膨らんできます。ここに、このたとえ話の意味があると思います。

 パン種は、福音が人の内側から働くことを示します。福音を受け入れることによって、神の恵みの支配が始まります。そして、その人の心を変えて、生活や考え方、人格にまで変化を与えます。これが、パン種のたとえ話から教えられることです。

 パン種を混ぜた小麦粉は、だんだんと膨らんでいきます。これには時間がかかります。パン屋では、一晩寝かせてから焼き上げます。私たちの信仰も、成長に時間がかかります。 

 最初は混ざったかどうか分からないような状態から始まります。人によっては、いつ信じたか始まりが分からない人もあります(ビリー・グラハムの奥さんがそうでした)。でも今信じて、イエス様の恵みに感謝しながら生活しているのです。

 しかし、わたしは今日からイエス様を信じていきますという、パン種が混ぜられる時を自覚している人は多いと思います。さあ、まだイエス様を受け入れていない人は、ぜひ、イエス様を心にお迎えしてください。すでに信仰生活をしている人は、成長が遅いと焦らないでください。大切なのは、パン種である、神様の恵みの支配です。イエス様を迎えて、イエス様との交わりに生きていけば、必ず成長して、膨らんできます。愛や喜びや平安が心に満ちてきます。自分の心を探り、後はイエス様に委ねて、信頼して生きて行くのです。御国(天国)に至る道を進んでいる幸いを感謝していきましょう。

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