礼拝メモ 6月14日

聖書 使徒の働き19章1節〜20節

 エペソという町は、シリアのアンティオキアとエジプトのアレキサンドリアと並ぶ、東地中海の三大都市の一つで、海と陸とから商品が運ばれてくる商業都市でした。また、この町のはずれには、アルテミス神殿が立っていました。その神殿は、七不思議のひとつに数えられるような、壮大な建物でした。そのアルテミス神の像は、たくさんの乳房を持つ女神像で、豊穣の神として拝まれていました。

 その町にパウロが行きました。そして信者たちに会ったのです。彼らと話していると、どうも何かおかしいのです。よく聞いてみると、バプテスマのヨハネの話ししか知らないのです。それでパウロは、イエス様のことを詳しく話して、この方を信じるようにとヨハネは伝えたのです、と言いました。すると、十二人の人は、イエス様を救い主と信じ、その名前によって洗礼を受けたのです。パウロが手を置いて祈ったとき、聖霊が注がれ、異言や預言をしました。この十二人を中心にしてエペソの教会が発展してゆくことになるのです。

 パウロは初め、ユダヤ人の会堂でイエス様を伝えました。三ヶ月と書かれています(8節)。しかし、反対されて、ティラノの講堂という所を借りて伝道しました。当時は午前中に仕事をしました。パウロは天幕作りをしました。その講堂も使われていたのです。それが終わる頃から、パウロはこの講堂に行って、最初の十二人に福音のすばらしさを教え、それゆえに生きて行く生き方を教えました。恵まれた人たちは、外に出て行って、家族や友人を連れて来ます。そして、その人たちも救われて、喜んで信仰生活をしていきます。中には、自分の出身地に行って、福音を語る人も出て来ます。エパフラスもその一人でした(コロサイ1:7)。2年間、パウロの積極的な伝道と教えがなされ、「アジア(今の小アジア)に住む人々はみな、ユダヤ人もギリシア人も主のことばを聞いた」と書かれるほどになりました(10節)。その結果たくさんの教会が生まれました。黙示録の七つの教会は、この時期に誕生したと考えられます。この七つの教会は、エペソを中心に広がっているのです。エペソ、スミルナ,ペルガモン、ティアティラ、サルディス、フィラデルフィア、ラオデキアの七つの教会です。

 神様は、この時期、パウロを通して数々の奇跡を行いました。彼が仕事場で使っていた、汗を拭く手ぬぐいや前掛けを持って行って、病気の人や悪霊につかれた人にあてると、癒やされました。巡回祈祷師が試しにイエスの名を使って悪霊を追い出そうとしたところ、悪霊が「イエスのことは知っているし、パウロのこともよく知っている。しかし、おまえたちは何者だ」と言って襲いかかり、打ち負かしたこともありました。これを聞いたエペソの人たちは、「みな恐れを抱き、主イエスの名をあがめ」たのでした(17節)。「こうして、主のことばは力強く広まり、勢いを得ていった」のです(20節)。

 エペソに注がれた恵みとは、主イエス・キリストの救いを経験したパウロがやって来たこと、主イエスの名によって洗礼を受けたこと、聖霊を注がれたこと、そして周辺の町々に福音が伝えられたことです。彼らは、パウロのことばでなく、「主のことば」を広めたのです。そのために異言と預言が用いられたのでした。イエス様の生涯とその教えが伝えられたのです。

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